こじらせ女子とは?起源・特徴・診断・脱却方法・対応策を徹底解説

「こじらせ女子」という言葉が世の中で広まったのは2011年頃のこと。日々の生活や人間関係、恋愛が難しくなっていたり、自分自身に対してモヤモヤした思いを抱えている女性を表す言葉です。

恋愛がどうもうまくいかない

自分に自信が持てず卑屈になってしまう

なんとなく生きづらさを感じる…

──そんな悩みに心当たりはありませんか?

この記事では、「私ってこじらせ女子かも」と感じているあなたに向けて、こじらせ女子の診断チェックや脱却するためのヒントをお届けします。また、周囲にこじらせ女子がいてどう接していいか悩んでいる方向けには、特徴や対応のコツも解説しています。

目次

こじらせ女子とは?どういう意味?

こじらせ女子の意味を解説

こじらせ女子とは

「こじらせ女子」とは、なんらかのコンプレックスを抱えており、自意識が肥大しているが故に、恋愛や人間関係が難しくなっている、生きづらさを抱えている女子のことを指します。過去の経験や思い込みにとらわれることで、人付き合いや恋愛で壁を感じやすいのが特徴です。

たとえば、「自分なんて愛されるはずがない」「他人に頼るのが怖い」といった思考に縛られ、素直になれずにチャンスを逃してしまうことも。その結果、周囲からは「扱いづらそう」「面倒くさそう」と誤解され、自分が意図していないイメージを持たれてしまうこともあります。

こじらせ女子の由来はエッセイスト雨宮まみさんによって広められた流行語

「こじらせ女子」という言葉は、エッセイストの雨宮まみさんが2011年に上梓した著作『女子をこじらせて』(ポット出版:ウェブ連載時のタイトルは「セックスをこじらせて」)をきっかけに世の中に広まりました。2013年にはユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされるなど、流行語として人口に膾炙(かいしゃ)し、2024年現在は使う人が減ってきているとはいえ、いまだに認知度の高い言葉です。

雨宮さんは、本書の中で、一貫して自分の恥ずかしい過去や傷を曝け出しました。その潔い自己開示っぷりが、同じような境遇の女性たちから共感を呼んだのです。

雨宮さんは、自身の性格や外見にコンプレックスを抱え、「女性として求められない」ことに不安を抱えていました。そんな雨宮さんは、AVのライターとしてライターデビューし、AVの世界の内情を垣間見ます。ルックスの美しいAV女優と接することでコンプレックスが刺激される瞬間もありつつも、AVの世界に触れることで、雨宮さんはある種の救いを得られたと言います。

AVの世界は「捨てるところなし」といいますか、ありとあらゆる「フェチ」があること雨宮さんは知ったのです。たとえば、AVでは、高校生フェチもいれば、熟女フェチ、老女フェチ、細い足フェチもいれば、太い足フェチもいる、などのように、あらゆるフェチに需要があることに、雨宮さんは気がつきます。どんな女性でも求めている男性がいる、と知った雨宮さんは、女性としての自信を取り戻していきます。

ただし、ここで得られたある種の救いは、「男性から認められる」ことに依存したものだったため、その後も雨宮さんの「こじらせ」は長期に渡り、続いていくのでした。

『女子をこじらせて』という本が人気を博したのは、AVの世界をのぞいて、女性として自信がついたからよかったね、という単純な話を綴っているのではない、というところです。

そもそも、なぜ、雨宮さんは「女性として男性に欲望されること」なしには、自信を得られなかったのでしょうか。

雨宮さんの写真を見れば多くの人が「美人」だと言うことが想像できますし、文才もあって、人気もあって、非常に恵まれた人に見えます。それにも関わらず、雨宮さんは、満たされず、コンプレックスだらけで、誰かに、特に男性に承認されたいという思いを捨てられずにいました。

シンプルに、自分が自分であると言うだけで、自分を愛することができなかったわけです。自分を愛せずもがく女性こそが「こじらせ女子」だ、と言い換えることもできます。

2011年には自己肯定感という言葉はあまり使われていませんでしたが、「こじらせ女子」を現代風にいうと、「自己肯定感が低いあまりに、生きづらさを抱え、もがいている女性」だと定義できるでしょう。

こじらせ女子の特徴とは? 案外美人が多い?【あるある】

何らかの「こじらせ」を抱えているこじらせ女子たち。ひとくちにこじらせ女子と言っても、さまざまなタイプの人がいます。

以下によく見られる特徴をご紹介します。

他人からの評価に一喜一憂する

「こじらせ女子」は自己肯定感が低く自信がないため、他人からの評価を求めます

他人から褒められたり、賞をもらったり、他人に自慢できる功績を挙げたりすることに執着しがちです。一方、少しでも自分を悪く言われたり、軽んじられたりしたと感じたら、必要以上に落ち込みます。

理想と現実のギャップが激しい

「こじらせ女子」は「あるべき理想の姿」と「現実の自分」のギャップに苦しみます。現実の自分を受け入れられていないので、幻想の「理想」を追いかけ続け、苦しむことになるのです。

人の言葉や態度の裏を読みすぎる・妄想癖がある

「こじらせ女子」は、人の言葉や態度の裏を読みます「〇〇って言ってたから私のこと嫌いなのかな」「〇〇は私のことを見下しているに違いない」と妄想して、心配したり怒ったりする傾向があるようです。物事をありのままに受け取らず、すぐに妄想してしまう癖があるようです。

傷つくのを恐れて深い関係を築けない

「こじらせ女子」は、自分がセンシティブで他人からの言葉に一喜一憂してしまいやすいことを自覚しています。そのため、深い関係を築く前に自分から一歩引いてしまうことも珍しくありません。

たとえば、「久保みねヒャダこじらせナイト」というテレビ番組(雨宮さんも「こじらせ女子」の元祖として登場)では、MCのひとりである漫画家の久保ミツロウさんが、たびたび、恋愛に踏み込めない心情を吐露しています。周囲から見れば久保さんは人気漫画家で話術も巧みで魅力的な人に見えますが、久保さん自身はたびたびコンプレックスを吐露しています。久保さんは、さまざまなコンプレックスから、「自分は恋愛対象として愛されない」と認識しており、それゆえ、恋をすることに及び腰になっているそうです。

美人や容姿に恵まれている女性も多い

「こじらせ女子」は美人であることと無縁に思われがちです。ですが、「こじらせ女子」という言葉を流行らせた雨宮さんを見てもわかるように、容姿に恵まれている人でも「こじらせ女子」になることは十分あり得ます。美人ゆえに、変な人から目をつけられて恋愛や性のターゲットにされたり、見た目だけでジャッジされたりした結果、こじらせてしまうケースも少なくないのです。

褒め言葉を素直に受け取らない

「こじらせ女子」は周囲の人がどれだけ当人を「美人」「可愛い」「魅力的」「素敵」と褒め称えても、本人は自分の魅力に気づいておらず、そう言った褒め言葉をお世辞だと感じます褒められることに居心地の悪さも感じるため、自分のことを愛して、肯定してくれている人を遠ざけることも珍しくありません。

そうして、自分のことを下げる相手やモラハラ、適当に扱う相手といる方がむしろ心地よいと感じ、辛い人間関係に自ら吸い寄せられていってしまうことも珍しくないのです。

ジェットコースターのような恋愛をする

「こじらせ女子」の恋愛における大きな特徴は、極端な期待と失望を繰り返す点です。

理想が高く、恋愛相手に多くを求めがちで無意識のうちに「自分を救ってくれる人」を求めます。中には、”理想の王子様”や”運命の人”とのドラマティックな恋愛を求めたり、「恋愛=結婚=永遠の愛」とすべてを直結させて考えたりする人も。

勝手に期待して、その期待を相手が満たしてくれないと分かったら大きな失望を味わう傾向があります。

過去の経験が恋愛や婚活に影響しやすい

「こじらせ女子」は過去に恋愛で傷ついた経験やトラウマを引きずっていることが多く、新しい出会いにも臆病になりがちです。「また同じように傷つくかもしれない」といった不安から、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。

また、「こじらせ女子」は「どうせ私なんて選ばれるはずがない」と自分を卑下し、婚活イベントやマッチングアプリでも消極的な姿勢になりがちです。そのため、相手にアプローチする前に引いてしまい、関係が進展しないどころか、始まらないことがあります。

都合のいい女・不倫相手・浮気相手になりやすい

「こじらせ女子」は、望んでいないのに不倫相手や浮気相手になりがちだ、という特徴もあります。

美人だったり、仕事ができたり、周囲から見たらハイペックな女性であっても、かなり年上の既婚男性を選ぶなど、「なぜそんな人を?」と周囲が不思議がることも多いでしょう。

「こじらせ女子」は自分に自信がないため、不倫相手や、セカンドというポジションに甘んじてしまう傾向があります。

スピリチュアルにはまりがち

「こじらせ女子」は、生きづらさを解消するためにスピリチュアルにハマりがちです。

「ユニバース」「引き寄せの法則」「風の時代」などに興味を持つことも珍しくありません。パワーストーンやフラワーレメディーなど、「幸運を引き寄せるもの、運気を高めるもの、かつパッケージが可愛らしいもの」に惹かれるケースもあります。

こじらせ女子診断。5を以上当てはまったら「こじらせ」度高し

ここまで読んできて、「もしかして、私ってこじらせ女子?」と思った方もいらっしゃるでしょう。自分が「こじらせ女子」かどうかを知りたいなら、以下の項目にいくつ当てはまったか、確認してみてください。

  • 自分に自信が持てない
  • 他人の評価に一喜一憂する
  • 苦しい恋ばかりしている
  • 恋愛をしても、いつか見捨てられるかも、と不安を感じることが多い
  • 「そんな人と別れた方がいいよ」と言われたけど別れなかった経験がある
  • 美人とか可愛いとかよく言われるけど、自分ではそう思えない
  • 美人であることで損をすることが多い
  • 他人と距離を置きがちで心を開けない
  • 理想と現実のギャップに悩んでいる
  • スピっていると言われる、またはスピっている自覚がある

以上の診断項目に5つ以上当てはまった方は、「こじらせ女子」の可能性が高いと言えるでしょう。

こじらせ女子から脱却して卒業する方法。自分らしさを取り戻すためのヒント

ここからは、「こじらせ女子」の根本原因に向き合い、こじらせを卒業するための具体的な方法をご紹介します。小さなステップから始めれば、きっとその殻を破ることができるはずです。

理想と現実のギャップを受け入れることから始めよう

「理想の自分」と「現実の自分」とのギャップは、こじらせ女子の大きな悩みの一つです。

たとえば、

  • 周りから褒められる女性でいたい
  • 毎日キラキラした生活を送りたい
  • 完璧な恋愛やパートナーシップを築きたい

といった理想を持ちながらも、「自分はそんな人間じゃない」と感じてしまうと、自己嫌悪に陥りがちです。

このギャップそのものが悪いわけではありませんが、あまりに理想が高すぎると、その差に苦しさを感じてしまいます。

だからこそ、まずは「自分が抱いている理想が現実的かどうか」を冷静に見つめ直してみましょう。

「女性はこうあるべき」といった固定観念に縛られていないかを振り返ることも大切です。現代は価値観が多様化し、誰もが自分らしい生き方を選べる時代です。古いジェンダー観などの価値観にとらわれず、今の自分を肯定することが、こじらせ女子から卒業するための第一歩。

「ありのままの自分でも十分素敵なんだ」と気づくことで、少しずつ前に進む勇気が湧いてくるはずです。

自分の本音に向き合うために書き出してみる

自分が抱える悩みや本音をノートに書き出す「筆記開示」ワークは、メンタルケアとして効果があることが科学的にも証明されています。書き出すことで、自分の気持ちと向き合ってみましょう。

たとえば、次のような問いを自分に投げかけてみてください。

  • 自分が劣等感を感じた瞬間はどんなとき?
  • 過去の出来事で特に記憶に残っているのは?
  • なぜ自信が持てないのか?

書き出すことで、自分が今まで無意識に避けていた感情や悩みが明確になります。

そして、「自分のため」ではなく、「他人のため」に何かをしたいと感じた瞬間があれば、それをきっかけに行動してみましょう。

ネガティブ思考は消しゴムで消す。事実で上書きする

こじらせ女子が陥りやすいのが、悪い妄想などのネガティブ思考です。

たとえば、彼からの返信が遅いと、「嫌われた」「浮気してる」と勝手に決めつけてしまうことはありませんか?

そんなときには、脳内に浮かんだネガティブ思考を意識的に消して、「それって本当に確かなこと?」と自問自答してみましょう。そうすることで、「返信が来ていないだけ。忙しいのかもしれない」という事実に気がつきます。

事実だけに目を向ける=頭に浮かんだイメージに上書きことで、不安や妄想を落ち着かせることができます。

こじらせ女子こそネットとの距離感が大切。SNSでの比較をやめてみる

「他人の投稿を見るたびに自分がダメな人間に思えてしまう」という経験はありませんか?

SNSでは、他人の生活の一部分だけを切り取った「キラキラした瞬間」が多く投稿されます。しかし、それを見て自分と比べるのは意味がありません。他人と自分を比べることで幸福感が下がるという研究結果もあるほどです。

まずは、SNSの使用頻度を減らしてみましょう投稿をチェックする時間を減らし、その代わりに他の趣味やリラックスできる時間を増やすことで、「自分だけの幸せ」を見つけることができるでしょう。

誰かのために行動してみる

「自信がない」「何もできない」と感じているときこそ、周りの人をサポートする行動を取ってみましょう。心理学では、他人を助ける行動が自信の回復につながることがわかっています。

たとえば、同僚の手伝いをしたり、家族の相談に乗ったり、あるいは全く知らない誰かのための行動でも大丈夫です。そうすることで、「誰かの役に立てた」という達成感を得られます。その達成感が積み重なることで、少しずつ自信が回復していくでしょう。

体を動かしてポジティブな気持ちを取り戻す

気分が落ち込んでいるときは、自然と体の動きも鈍くなりがちです。そんなときこそ、意識的に体を動かしてみましょう。少しずつポジティブな気持ちを取り戻すことができます。

最初からハードな運動や特別なエクササイズをする必要はありません。まずは、歩くスピードを少し速めたり、歩幅を広げてみるだけでも効果があります。近所を散歩したり、お買い物がてら外に出るだけでも気分転換になるでしょう。

さらに、軽い運動を日常の中に取り入れると、自己肯定感が高まり、ストレスの解消にもつながります。無理をせず、自分に合ったペースで体を動かしてみてください。少しずつ気持ちが軽くなっていくはずです。

小さな挑戦を積み重ねてみる

「どうせ私には無理」と思い込んでいることに、小さな一歩から挑戦してみましょう。

たとえば、

  • 普段と違うメイクやヘアスタイルに挑戦する
  • 普段は選ばないジャンルの映画や本、音楽を選ぶ
  • 行ったことのないお店に足を運ぶ
  • 気になっている習い事や趣味を体験してみる
  • 普段より少しだけ遠出してみる

など、新しいことに挑戦することで、気持ちがリフレッシュされることがあります。

「変化する自分」を楽しむ感覚を持つことで、少しずつ自信を取り戻せるでしょう。

近くにいる「こじらせ女子」への対応方法。変えようとしてはいけない

自分は「こじらせ女子」ではないけれど、周囲に「こじらせ女子」がいて、対応に迷っている、という方もいらっしゃるかもしれません。次に、「こじらせ女子」の対応策をご紹介していきます。

こじらせ女子とは適切な距離を保つ

「こじらせ女子」は、人間関係に依存しがちな傾向があります。べったりした関係になってしまったら、あなたが辛くなってしまいますから、適切な距離を大切にしましょう。

「友達の幸せのため」にお節介をしない

「こじらせ女子」の友達を持つと、不倫をしていたり、モラハラ彼氏を選んだり、怪しいスピリチュアルに足を踏み入れたりと、ハラハラすることが多いでしょう。友達の幸せを願って、「やめなよ!」と言いたくなる気持ちはわかります。

しかし、「こじらせ女子」は、他人に咎められたところで、自分の生き方を変えようとはしません。

あなたに生き方を否定されたことで、離れていってしまう可能性もあるでしょう。本当に友達のためを思うなら、相手を否定したり、変えようと頑張ったりせず、ただ近くで見守り、友達が助けを求めてきた時に、手を貸してあげましょう。

さいごに。こじらせてない人なんている?

「こじらせ女子」がこじらせてしまう根本原因は、自分への自信のなさです。その自信のなさは過去のトラウマや生育歴、恋愛の傷などによって発生しているかもしれません。「こじらせ女子」から脱却するためには、根本原因と向き合い、自分に対する信頼を取り戻す必要があります。

自分に対する信頼を取り戻すことは簡単なことではないでしょう。自信を取り戻すまでの道のりには、不倫や泥沼恋愛、スピリチュアル沼、推し活沼など、さまざまなトラップがあるかもしれません。一生こじらせている状態から脱却できない可能性もあります。

ですが、「こじらせ女子」はひとりではありません。多くの女性が、そして男性が、「こじらせ」ながら生きています。もしかしたら、こじらせていない人の方が、少ないのかもしれません。

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